グラフィックデザイナーのための Webデザイン基本ルール

目次

印刷と異なり、Web は媒介(HTML・CSS・ブラウザ)と読み方(スクロール・入力)が前提になる。次の並びは、その前提から情報の骨格 → ビジュアル基盤 → レイアウト → 素材・操作 → 実務へと読み進められるようにした。

前提と情報の整理

1. スクロール前提の設計(紙との違い)

Web は「連続体」であり、一画面で完結しないことを前提に設計する。

重要な考え方

意識すること

デザインの確認

2. 階層構造(見出しと HTML)

3. コンポーネントとデザイントークン

再利用可能なパーツを定義する

同じ意味を持つものならば、同じスタイリングを使い回す。

例:本文テキスト ── 下記の値をすべて統一する

例:カード ── 下記の値をすべて統一する

デザイントークン

色、フォント、余白など、サイトの統一感をアップするために使う値を明示化する。

コンポーネントライブラリを参考にする

表現の引き出しを増やすために、既存のライブラリを参考にする。

たとえば次のような UI パターンは、各ライブラリの実装例を見ながら設計するとイメージしやすい。

参考サイトの例は次のとおり。

ビジュアル基盤

4. タイポグラフィと可読性

グラフィック出身の人が一番抜けやすいポイント。印刷は自由なレイアウトが可能だが、Web はスクロールして読むため疲れやすい。フォント指定とセットで、読みやすさを設計する。

Webフォントの選定

デザインカンプとブラウザのズレ

行長(1行の文字数)

行間・段落

フォントサイズの目安(最小値と推奨値)

5. 色と意味づけ(アクセシビリティ)

6. 余白

使用する余白を統一することで、サイト全体の統一感がアップする。もちろん例外パターンもデザインによっては発生する。

余白設定の例

用途
テキスト間のミクロな調整4px
アイコンとラベルの間8px
カード内パディング16px
セクション内の要素間24px
セクション間32px
大きなセクション区切り48px
ページセクション間64px

レイアウトと環境

7. レイアウト・ブレークポイント・表示環境

基本方針

デザイン時のレイアウト基準(例)

デバイス
SP375px
PC1024px
Tablet(必要ならば)768px

レイアウトの種類(用語は文献によってブレるので、ここでは役割で整理)

固定幅レイアウト(いわゆるソリッド/fixed-width)

可変(フルード)レイアウト(fluid)

タイポ固定のレスポンシブ

表示まわりの実務メモ

8. レスポンシブと情報の優先度

「画面サイズ」の設定だけでは足りない。PC を縮小するのではなく、優先順位を変えるという発想が重要。

モバイルで削るもの

モバイルで残すもの

多言語・文字量のブレ

素材・操作

9. 画像とアセット

10. インタラクションと UI

状態

すべてのインタラクティブ要素に以下の状態を設計する:

ボタンとリンク

役割の区別

アニメーション

11. モバイルのタップ領域

ボタンが見えていても押しにくいと UX が落ちる。グラフィック出身の人が抜けやすいスマホ固有の設計ルール。

タップサイズ

要素間距離

フォーム・実務

12. フォームの基本

意外と抜けやすいフォーム設計のルール。

必須事項

NG:placeholder だけで項目説明をする

13. 避けるべきパターン(Web 特有)

グラフィックデザインでは問題なくても、Web では避けた方がよい例。

全文中央揃えの乱用

文字の画像依存

余白だけで意味を持たせ過ぎる

14. 実装コストと開発への引き渡し

デザインの自由 ≠ 実装の自由。曖昧なまま渡すと実装者の判断に委ねられ、手戻りや見え方のブレにつながる。再現コストを抑えつつ、数値と挙動を明示すると信頼につながる。

再現コストを抑える

仕様として決めておくこと

例:値の明示